火山の軌跡に思いを馳せる
- S Mikaze
- 2023年5月1日
- 読了時間: 4分
こんにちは、Mikaze です。
今回は、秋田県の旅路で見つけた火山の跡に焦点を当てて、紹介したいと思います。
秋田県は山形県につながって日本がまだ海の底だった時代の名残、鳥海山の岩なだれがつくった地形や、海底火山から生まれた奇怪な岩などの痕跡が残っていました。
地形を見るだけでも面白いのですが、そこに登ったり歩いてみたりして観察するのが楽しかったです。
それではさっそく、見てみましょう。
1. 溶岩から湧き出した美しい水の情景

にかほ市の元滝伏流水
山形県に近いにかほ市。森の奥深くまで車を走らせ、山道を歩くと元滝伏流水 (もとたきふくりゅうすい)という湧水が現れます。
これは、鳥海山から約16~2万年前に噴出した溶岩のヘリ( 縁 ) の部分に位置していて、山に降った大量の雪や雨が10年、20年の時を経て湧き出したものです。
高さは5m、幅30mほど。
普通の滝とは少し違う、横に長く続き岩から染み出したような姿が特徴的です。
ガサガサの溶岩壁から流れ出る豊富な水は、とても美しい情景をつくっています。
流れ落ちる水の音は力強くありながら、森を包み込むようなどこか優しいものでした。

水辺の石に生える苔たち
道中に流れる水周辺の石には苔がびっしり。苔好きにはたまらないです。
なぜこんなに鮮やかな緑の苔たちが生えているのだろうか?
その答えは湧水にありました。
湧水の水温は約10℃で、その冷たい温度の影響一体に薄い霧が立ち込めます。霧が高い湿度を保つことで、岩壁や川辺に一面の苔が覆うようです。
綺麗な水だけでなく、そこに生息する苔たちも元気よく生き生きとしていて、みずみずしさを感じさせます。
この独特の雰囲気は、まるでジブリに出てくるような…とても素敵な雰囲気。
長い時の流れが生み出した情景に心が惹かれました。
2. 地球深部を覗くマール

八望台から展望できるマール
秋田県の海沿いのちょっと出っ張った所、男鹿半島には魅力的なスポットが沢山あります。このマールもそのひとつです。
高い展望台から半島を見渡すと、地面にポッカリ空いたような丸い湖が。
マールというのは、火山活動のときに水蒸気やガス爆発によって出来た、世界的にも珍しい特殊火山湖です。
写真はニノ目潟と呼ばれていて、他にも一ノ目潟、三ノ目潟があります。

ここは男鹿目潟火山群を構成していて、東北地方唯一の火山形態のひとつ。約6~8万年前に形成されたと考えられています。
また、地球の奥深くから吹き出た岩石である「カンラン岩」がみられる火山として、さらに湖底堆積物の層が縞状に堆積する「年縞 ( ねんこう)が確認されている湖として、世界的にも注目されているようです。
どっしりと構える湖のなだらかさが印象的。
しかし、この湖は山の上まで行かないと見渡すことのできない、隠れた場所ですね。
活発な噴火活動の痕跡は、動かずとも地球内部の躍動を感じます。
またいつ噴火するか分かりませんが、もし噴火したらその地形も大きく変化し、また新たな地形になるのだろうなと思うと、私が生きている一瞬が本当に短いのを実感します。
3. 海岸に現れた面白い岩

椿海岸の柱状節理群
雲が一面に広がった冴えない天気の中。面白い形状の岩があると聞きつけて、椿海岸という場所へやってきました。
これは柱状節理 ( ちゅうじょうせつり)というらしいです。
地下深い場所にあるドロドロのマグマが、何かのはずみで噴火すると溶岩となって流れます。溶岩の表面はすぐに固まりますが、これが内部の溶岩を包み込むようにできます。そのため内部はゆっくり冷え固まり、岩石の体積が少し縮むため、岩に隙間ができ柱状になると考えられています。
椿海岸には、このような柱状節理が多く点在していました。

近づくとより分かる火山の痕跡
形は五角形や六角形で、ゴツゴツしていてゴジラの岩肌みたい。色は黒色や上部にかけて少し赤茶っぽくなっています。
複数集まるとちょっとだけ、ところてんのように見えて面白かったです。
岩には上からロープが掛けられており登れるようになっていました。
硬い岩に足を掛けながら登った先には、見晴らしの良い日本海が広がっています。
大変良い眺めに満足しながら、その自然むき出しの形態に足をつく。
ワイルドな旅の楽しさがそこにありました。
まとめ:火山形態は時代を超える

火山といえば噴火のイメージが強いですが、こんなにも様々な形態でその爪痕を残しています。私たちの身近に潜んでいるその跡を巡るのは、とても面白いものでした。
何万年前と、想像もつかないほどの年月をかけて形成されたもの。
なぜこのようになったのだろう?と疑問を持ってそのルーツを辿ると、より一層楽しむことができます。
秋田県に旅をした際は、火山地形の一端に足を踏み入れ、探究心に心躍らせてみてはいかがでしょうか。
参考HP:鳥海山・飛鳥ジオパーク
男鹿半島・大潟ジオパーク
八峰白神ジオパーク
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