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執筆者の写真S Mikaze

夕刻の噴水

薄暗く青い地面に光の粒が舞う

非現実の一角を垣間見たように

これが最後の日だって誰かが言っても

冥土の土産にはならないって分かってる


子供も大人もその光に憧れる

思わず手をそちらに向けて

掴めないものを掴もうとする

ありきたりな日がまた明日やってくると知っても

軽快なビートをその足で刻んでる


もうすぐ帰りの待たない家を目指す頃

光の粒は天を目指し、真っ逆さまに落ちて

はじけて飛んで

夜の街を駆けていく

しばらくはそれで、

終わりを終わりにしないでいられる気がするって

公園に住む水鳥が言っていた




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