ハンサムなお兄さんが運んできた
たまごサンドはたまごサンドじゃなくて
サンドたまごだった
座ったら抜け出せないふかふかの椅子に
どっしりと腰を落ち着けて
壁に埋め尽くされた謎のポスターを眺めていたら
さながらロックミュージシャンのような心持ちでいたが
コーヒーの匂いが鼻を持て余し
テーブルの上にそれが置かれると
違う次元に迷い込む
日差しが優しく頬に触れる場所で
長い人生を送ってきた老人が
薄く埃の積もった家具に囲まれて
一人静かに食べる朝食のように
ささやかな幸せを噛み締めて
今、
優雅なひと時が始まろうとしていた
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