おとしもの
- S Mikaze
- 2022年4月26日
- 読了時間: 1分
中身はわからない
でもきっと
誰かが落とした宝物
また明日、とか さようなら、とか
何も告げずに詰め込んだもの
価値のないもの
でもそれはきっと嘘
どこまでも流されて 押し戻されて
目の前に現れた出会いなのだ
どれだけ愛しいものだろう
不思議な、けれども愉快なおとしもの
触れることなどできやしない
ただそっと
きらきらのそれを眺めて
波の音が交差して
ここに在ることが正義だと
私は勝手に思うのだ
拾うべきは
永遠に流れ着いた記憶そのもの

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