裏路地
- S Mikaze
- 2022年9月4日
- 読了時間: 1分
薄暗い曇色の下
目を見張らなければ過ぎ去ってしまいそうな場所に
散りばめられた光があった
人の息づく看板が
誰かの羽目を外した笑い声が
肉のジュージューと焼ける音や、香辛料のスパイシーな香りが
私の頬に心地よい風を与えた
公に現れないものは多くあれど
ここが秘密の場所であるかのように
足を止めた者だけが見つけられる優越感
宝物を発見したような高揚感が
ずっとその原型を留めていてほしいと願うには
十分な理由を与えてくれた
まだ夜は長く、枕に沈むには早すぎるだろう

コメント