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執筆者の写真S Mikaze

帰り道

思いの外 夜の世界はすっきり

辺りの家々は点々と

大通りには街灯がぽつぽつ

隅々まで妖しい空気が行き渡り

月明かりに照らされた私の肌は

心踊らせ白く透き通る


五月蝿いものはすべて脱ぎ捨てた

丸裸のまま湯船から足を上げ

窓の向こうへ行きたいと願った記憶が

目の前を横切った


星空を逆さまにしたら

眩い街の夜景も星空のように

美しく儚いひとつになれるだろうか


上、下、

夜の真ん中にぽつりと私

光に挟まれて

そこに居場所があった


嬉しさが夜道を明るく照らし

もう少しこの優越感を味わえば

月は後ろからついてくる




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