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寄り道

  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2022年6月22日
  • 読了時間: 1分

少年が誰かの名前を叫ぶ

こっちだよ、と少女が話しかける

色とりどりの白と黒

学生服がぱらぱらと走りまわって

なんでもない脇道を闊歩する

帰り道だろうか?

彼らのあどけなさが遠目に見えて

どこかに忘れていたものが蘇る


あの頃の私

夢を抱いた私

白い靄が辺りを覆っても

その手でいっぱいに抱えて

すべてを持ち去ろうとしていた私


たとえ大きくなっても変わらない

鼓動は歩いた道を刻み

この身体は光にあたって影を落とす


そうだ、これはちょっとした寄り道

白いソックスを履いているくらいに

足は一本道を進まない

時折それが面白い




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