何十億年先の 我々のいなくなった頃
目の前にある光景は同じ姿形をしているだろうか
それらは原型をとどめているだろうか
どんなものに生まれ変わっても愛せるものはあるだろうか
例えば、小さい頃の楽しい思い出の詰まった公園は
大人になった自分には あまりにも小さな場所だった
苦手だった学校の先生は
見違えるように年を重ね 焦燥感だけが残っていた
つまらぬものは多くあり 肩に重くのし掛かってくるが
何十億先にはそれらもすべて消えていく
そう思うと ほんの少しだけ許せる気がした
遠く先は目が悪くて 靄がかかっているばかりで
一向に見えやしないが
足先で目を留めたそれはよく見える
また同じ場所で同じものを見ても、きっと何かが違うだろう
だから、それを発見と呼ぶ
それを未知との出会いと呼ぶ
一瞬の愛しさを垣間見て
そしていつかその光景も忘れ
ただ歩き回る旅人になる
コメント