人類が歩くことを忘れた頃に
ツタを巻きつけて覆い隠すように
人が生きた痕跡は混ざり合うのだろう
聞いたことのないメロディーが頭を掠めると
同時に懐かしい記憶が溶け込むように
その旋律に重なるのだろう
それを儚さと言う前に
言いようのない美しさが在ると悟った
夜空にきらめく星たちも好きだが
ちらちらと光る地上の灯りたちも
嫌いじゃなかったから、
とてもじゃないけれど
声に出してその感動を伝える程じゃないけれど
動く体に呼応するくらいの
もの寂しさみたいなものがあった
散乱したゴミたちの前で
立ち止まって余韻に浸るのは
人間くらいのものだろう
もしかしたら知っているかもしれない
その先のことを考えては
聴こえてますよって誰かに叫ぶのだろう
今を離さないように
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