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執筆者の写真S Mikaze

残骸

人類が歩くことを忘れた頃に

ツタを巻きつけて覆い隠すように

人が生きた痕跡は混ざり合うのだろう


聞いたことのないメロディーが頭を掠めると

同時に懐かしい記憶が溶け込むように

その旋律に重なるのだろう


それを儚さと言う前に

言いようのない美しさが在ると悟った


夜空にきらめく星たちも好きだが

ちらちらと光る地上の灯りたちも

嫌いじゃなかったから、

とてもじゃないけれど

声に出してその感動を伝える程じゃないけれど

動く体に呼応するくらいの

もの寂しさみたいなものがあった


散乱したゴミたちの前で

立ち止まって余韻に浸るのは

人間くらいのものだろう


もしかしたら知っているかもしれない

その先のことを考えては

聴こえてますよって誰かに叫ぶのだろう

今を離さないように





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