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  • 執筆者の写真: S Mikaze
    S Mikaze
  • 2022年9月20日
  • 読了時間: 1分

一際目立つような

目立たないような

そんな一匹が

流れる水に逆らって身体をうねらせる


鱗についた少しの朱色が

空を反射した水面と交差して

一瞬消えて、なくなった


同じ形のちがう模様の奴が

その身の上を横切って

姿は煙に巻かれていった


瞳が群れを辿って泳いでいれば

いつのまにか小橋の袂から

あの一匹はふらりと姿を覗かせた


出番はいつかやって来て

透き通った水から世界を見上げるような日が

来るのかもしれない





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