片隅にそっと顔を覗かせている
その小さな放浪者は
瑞々しく身体を震わせ 風を断ち切って自分の居場所を見つける
恋に恋する蕾達や 過去に寂しさを残した細長い葉は
太陽の眩しさに圧倒されて
影をじんわりと地に映した
あっという間に縮こまった身は その光を受け止めきれない
悶えていたら雲が頭上を埋め尽くし
天から冷たい雨が落ちてきた
身体は酷く震えた
しかし、動かねば
ただ此処に居てはいけないと
使命が脈を打ち根の深くまで伝導する
花は怯えながら開いていく
それでいい
それで充分
わたしは生きている
わたしは踊っている
視界はゆっくり広がっていく
Comments