S Mikaze2022年12月20日読了時間: 1分上よりうたた寝をしていたら 街がたくさん出来上がっていたよ アダムとイヴが あの実をかじった時から 人は罪を背負っていたはずなのに 「生きる」という罪を 握りしめたはずなのに 人は独りでは生きていけないから 誰かにすがり付いたり 誰かに引っ張り上げられたりして...
S Mikaze2022年12月15日読了時間: 1分クリスマス駅聖なる日が 近づいている ふわふわ、きらきら それから 赤いおじさんみたいに せわしなく動く人々 誰と過ごそうか? どこで過ごそうか? 何をしてみようか? 冷たくなった手で 大切なプレゼントを抱えて 浮き足立って なんだか落ち着かなくて 心まで凍りついてしまいそうだ、...
S Mikaze2022年11月12日読了時間: 1分水鏡反対側の世界で ぼくらは見ている 歪んだ鏡の中で 空気を肌で感じられる世界に 密かな憧れを抱いている 何かの走り去る音が聞こえた 何かの過ぎ去る感情が震えた 通りかかったあの子の目線で 街をスキップしてみたかった 変な形の物体が空を飛んでいた それよりもっと高く翼を広げて...
S Mikaze2022年11月3日読了時間: 1分焼きリンゴ食べたくなりました ちょっと焦げすぎちゃいました つぎはぎの思い出が 美味しく焼けて湯気を立てます まだすこし眠たいです 煙の向こうの君は 取り残されたロボットのように 愉快な動きをしています 腹の怪獣が鳴いてますが あなたは笑って楽しそうです これから始まる1日に...
S Mikaze2022年10月29日読了時間: 1分共生社会雨露を飲むことが気休めになった 隣のひとは私に近寄るなと言っても せめぎ合うこの地では通用がしない 仕方ないので自分の領域を守る 到底ふたりぶんなど入りはしない 滴る水が疲れを流した どれだけひとりの時間が好きでも 小さなネットワークは作らなくてはいけない...
S Mikaze2022年10月24日読了時間: 1分海釣りひとまわり大きく見える手の先に 果てしない愛にも似つかない野望が埋まっていた 汚い泥沼の中に手を入れて わずかな幸せをまさぐっている どこまでが真実かを知らないけれど 信じることを恥じて手を離すのが嫌で 目線を地面と睨めっこするのが嫌で ただ遠くを見つめていた...
S Mikaze2022年10月17日読了時間: 1分滝の下叫びたい 大嫌いなことも、つらいことも 大好きなことも、愛していることも いつもわたしは 小さく掠れた声で呻くようで 大勢の中に紛れてかき消されてしまう 叫びたい 繋がっているこの命を 生きているこの確かな感覚を 偉大な世界を全身に浴びて いつものわたしのように...
S Mikaze2022年10月7日読了時間: 1分ブルーベリー(たくさん)甘いか酸っぱいか、甘酸っぱいか その実を口にするまで分からない 何回も試してみては 同じことを繰り返す時もある とびきりの良いものを引き当てるまでじゃない とびきりの満足を得るまでだ 嘘つきを信じてみたり 夢の続きを考えてみたり ふらふら彷徨っては...
S Mikaze2022年6月1日読了時間: 1分ロマンス理性が飛ばされそうになって それでもいいと思えた時 突然、恋がやってきた ロマンチストにならなくても 甘酸っぱさも苦味も感じられる 時折自分を見失って、もがいて もがいても分からなくなって、 愛する人を目の前にした時 感情はむき出しになる 感謝のひとつもロクにできないが...